1 教育は『幼稚園』からはじまる
 幼稚園とは、小学校、中学校、高等学校、大学等と同じく、学校教育法に基づく学校で、文部科学省が所管しています。幼稚園では「義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的」とし(1)満3歳以上の幼児を対象として、(2)学年単位で1年ないし3年の教育期間で、(3)1日4時間を標準に、(4)毎学年39週以上の教育を行います。また、幼稚園は学校ですが義務制ではありません。ですから入園は保護者と幼稚園相互の自由契約と考えてよいでしょう。

2 幼児教育の大切さ
 最近の研究の成果によると、幼児期の3歳ごろからが、自発性や主体性・自律心を育てるための人生で最も大切な時期だと言われております。
発達段階に応じた豊かな経験は、その後の成長の大切な土台となります。

3 幼稚園の生活
 幼稚園には、幼児の発達に適した保育を行うための施設・環境が整えられ、教諭としての資格をもった専門職の保育者がいます。
 保育者は、幼児の生命の維持と情緒の安定を図った上で、子どもと生活(遊び)を共にしながら、一人ひとりの良き理解者となり、自主的な活動を状況に応じて適切に援助しながら、時には良きモデルとなって、一人ひとりの個性に応じた総合的な保育・指導を、教育課程(計画)に基づいて実践しています。
 また、幼稚園では同年齢や異年齢の友達(集団)との関わりを通して、幼児の発達過程に応じた社会性が醸成されるよう援助・指導しています。

4 詳細な記録に基づく発達の援助を
 どの幼稚園でも下記のような、さまざまな記録をつけています。記録といっても、小学校のように学習の成績をつけるわけではありません。幼児の状態を多様な視点から把握し、一人ひとりの幼児の育ちの姿に基づいて、その年齢にふさわしい成長を促すための大切な資料とするものです。また、この記録は保育者の幼児への関わりの参考となり、幼稚園教育の充実と質的向上に役立つものです。

発達の記
 幼稚園では幼児の日々の遊びや行動の様子を継続して把握するために、各園で幼児の発達の記録をつけています。個人の記録・グループの記録、クラス集団全体の記録などさまざまな観点から、一人ひとりの幼児をていねいに見つめ、より良い発達を促すための大切な資料としています。
遊び・活動・行動等の記録
 一人ひとりの幼児の健やかな発達を実現するためには、教育活動をより優れたものにする必要があります。その為に幼稚園の様々な活動を記録し、複数の保育者で検討し、教育内容の向上につとめています。
健康の記録
 幼稚園では全ての園児に、学校保健法に基づく、園医さんによる「健康診断」を定期的に実施し、その結果を幼児健康診断票に記入し、健康状態の把握につとめています。また必要に応じて保護者とも連絡をとりあっています。その他、身長、体重等の身体の発育の状態や運動能力の発達についても必要に応じて記録しています。

5 ご家庭との連携
 幼児にとって家庭とは、家族から十分な愛情や思いやりを受けて安心して過ごせる心の基地なのです。幼児は、安心して過ごせる家庭生活を通して、生活をしていく上で必要とされる基本的な生活習慣などを自然に身につけ、精神的にもまた生活習慣の上でも次第に自立へと向かっていきます。そして、幼稚園と家庭は、双方とも幼児の発達にとって大事な役割を担っており、それぞれが十分にその機能を発揮することが大事です。そこで、最も大切なことは、幼稚園・家庭がそれぞれの役割を区分けして相手にそれを果たすよう要求することでなく、お互いの立場を理解しあい、幼稚園と家庭それぞれが、自分の役割を発揮できるように、相互に支え合う関係を生み出していくことが大事なことなのです。